<運営支援ブログ・ミニその5> 「なぜだろう?」を大事にする放課後児童クラブ・学童保育所が、もっと注目されてほしいな。

 放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)運営者をサポートする「運営支援」を行っている、ほぼ唯一の事業者「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。放課後児童クラブを舞台に、新人職員の苦闘と成長、保護者の子育ての現実を描く、成長ストーリーであり人間ドラマ小説「がくどう、 序」を書きました。アマゾンで発売中です。ぜひ手に取ってみてください! (https://amzn.asia/d/3r2KIzc)お読みいただけたらSNSに投稿してくださいね!
 運営支援ブログが不定期に掲載するミニシリーズ。今回は、「なぜだろう?」を大事にする放課後児童クラブが、もっと注目されてほしいという私の思いをつづります。
 (※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。)

<「それ、どうしてだろう?」「なぜだろう?」が大切>
 先に言っておきますけれども、児童クラブや学童保育所は、「すべてこういう形で、こういう趣旨で、運営されねばならない」とは、私は思っていません。いろいろな運営方針を掲げている児童クラブがあって、こども、保護者が、希望に近いクラブを選べるようになればいいなと願っています。100人のこどもがいれば、100通りのこどもの生き方がありますからね。勉強をたっぷりするクラブがあってもいいし、がっつりスポーツで鍛えるクラブがあってもいい。補助金が国からもらえるかどうかは別問題で。一定の地域内にいろいろな特色のある児童クラブがあって、家庭で話し合って通いたい児童クラブを選択できるような時代になればいいなと私は夢を描いています。

 ただ現実的には、小学校の学区など決められた地域内に住んでいる人は、民間学童保育所と呼ばれる、事業者が独自に営業している施設以外の児童クラブに通う選択肢はあっても、それ以外の児童クラブ、すなわち市区町村から「放課後児童健全育成事業」という公の事業を任されて運営しているクラブには、決められた場所のクラブに通うしかありません。そういう場所がほとんどです。(その点、市内の施設を任意で選べる八王子市はすごいですね)

 結局のところ、いまだに多くの地域では、それなりの料金を払って通う民間学童保育所があればそれが選択肢になりますが、料金面でとても利用ができない、という事情があれば、市区町村が運営をゆだねている放課後児童健全育成事業を行う児童クラブに、多くの子どもが通うことになります。いろいろな特色のある児童クラブを選択できる時代は、まだまだ遠い未来の話です。

 現状、多くの児童クラブは、指定された施設に、いろいろな条件、環境の子育て世帯のこどもが通うことになります。言葉が悪いですが「ごった煮」状態の入所児童ですね。これが、独自の理念を掲げて入所者を募っている民間学童保育所や、放課後児童健全育成事業であっても補助金に(ほとんど又は全く)頼らずに利用者から徴収する利用料で運営する民間の児童クラブとは、大きく異なるところです。いろいろな家庭環境や生育歴をもったこどもたちが(半ば無理やり)集まる施設ですから、放課後児童健全育成事業を行うといっても、実はとても難しいのです。それこそ、生活習慣が確立していないこどもがいれば、大人顔負けの常識的なふるまいをスマートにできるこどももいます。

 いろいろな人間、いろいろなこどもたちが同じ場所で過ごすから、実はそれが人間としての成長にとても有益な経験となるのですが、せっかくの「異年齢集団、異なる価値観、異なる生活環境をもった人間同士で過ごす貴重な時間」を無駄にしてしまわないように、児童クラブの運営に、わたしはもっと事業者も、この社会も、気を留めていただきたいのですね。

 それは、「なぜだろう?」「それはどうして?」を大事にする児童クラブであってほしい、ということです。

 疑問を持つことだったり、予測できない結果に対して仮説を考えたりいろいろな解決手段を考えたりする、そのような経験ができる児童クラブで、あってほしいなと私は強く思うのです。もちろん冒頭に紹介したように、勉強や知識、ノウハウ、技術を教え込むような施設だってニーズに応じて存在してもよいと思います。すべてのこどもにあてはまるような過ごし方ではないですが、勉強や知識、テクニックを叩き込むような時間の過ごし方を望むこどもだっているでしょう。

 ただわたしは、特別な過ごし方を希望しないこどもたちが集う児童クラブでは、「なぜ?」「どうして?」という疑問を大事に育てて、その疑問を「こどもたちが自分の知恵と工夫で」解決することができる(それが成功するか失敗するかはまったく関係ないです。むしろ失敗を繰り返すことが良いのかも)時間と空間が、児童クラブであってほしいな、ということです。

 この気持ち、実は私の小説「がくどう、 序」にも盛り込んでいます。読んでいただけると「あのエピソードだ!」とお気づきになるでしょう。

 あえて申し上げるなら、その地域に住むいろいろなこどもたちが通うことになる児童クラブであれば、児童クラブの選択ができなかった分、「児童クラブで過ごす時間の選択肢」をクラブ運営事業者が用意することは、これからの時代の児童クラブに必要でしょう。具体的には、「学童で過ごす時間で、もうちょっと自分の勉強をしたい」というこどもや保護者向けに、選択(オプション)として勉強学習時間を用意するというものです。希望者だけ週に数日、別室で1時間ほどホームラーニング等で学習するということや、地域のスポーツクラブ、あるいはそろばん塾に通うというものです。それはそれで、地域の他のこども対象の事業と共存共栄もできますね。こどもの好奇心や学習意欲を満たすこともできるでしょう。保護者も、まあ、安心でしょう。

 ただ基本的には、やっぱり「なぜ?」「どうして?」を大事に育てていく児童クラブであってほしい。すぐに解決法を職員が教えてしまう、疑問を持たせる余地すら与えずに、常にこどもに対して施設側が「こうしなさい」「ああしない」と指示をするような時間の過ごし方では、こどもの好奇心や、自分で取り組もうという意欲を育てられません。それは最終的に、こどもの自己肯定感を育てる機会を失わせることになってしまいます。自分で考えて取り組もうという機会を得られなかったこどもは、自分の自信を育てることができないのです。それはゆくゆくこどもたちが将来、現実的に迎えることになる受験勉強や就職活動といった苦しい時代を迎えるときに自分自身を奮い立たせることができず、なかなか思うように結果が出せないことにもなってしまいます。AIがすべて解決できる時代だって、そのAIをうまく使いこなせるための試行錯誤の段階で「私にはとても無理だ」と最後まで取り組めない事態にもなってしまいます。

 ぜひ児童クラブでは、こどもの「なぜ?」「どうして?」を大事にしていってください。それが、こどもたちの成長を支える最も大事な栄養です。そのためにはまず、職員自身が、「それはどうしてだろう?」と、常に疑問を持って考えるクセを持つことが大事です。裏というか、斜めというか、1つの見方だけで物事を考えないことですね。そういう研修もまた、これからの時代の児童クラブ職員には必要ですよ。ぜひ、運営支援にご相談くださいね。

 ミニといいながら長くなりました。ごめんなさい。最後の宣伝まで読んでいってくださいね。

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 弊会は、次の点を大事に日々の活動に取り組んでいます。
(1)放課後児童クラブで働く職員、従事者の雇用労働条件の改善。「学童で働いた、安心して家庭をもうけて子どもも育てられる」を実現することです。
(2)子どもが児童クラブでその最善の利益を保障されて過ごすこと。そのためにこそ、質の高い人材が児童クラブで働くことが必要で、それには雇用労働条件が改善されることが不可欠です。
(3)保護者が安心して子育てと仕事や介護、育児、看護などができるために便利な放課後児童クラブを増やすこと。保護者が時々、リラックスして休息するために子どもを児童クラブに行かせてもいいのです。保護者の健康で安定した生活を支える児童クラブが増えてほしいと願います。
(4)地域社会の発展に尽くす放課後児童クラブを実現すること。市区町村にとって、人口の安定や地域社会の維持のために必要な子育て支援。その中核的な存在として児童クラブを活用することを提言しています。
(5)豊かな社会、国力の安定のために必要な児童クラブが増えることを目指します。人々が安心して過ごせる社会インフラとしての放課後児童クラブが充実すれば、社会が安定します。経済や文化的な活動も安心して子育て世帯が取り組めます。それは社会の安定となり、ひいては国家の安定、国力の増進にもつながるでしょう。
 放課後児童クラブ(学童保育所)の運営支援は、こどもまんなか社会に欠かせない児童クラブを応援しています。

 放課後児童クラブを舞台にした、萩原の第1作目となる小説「がくどう、序」が発売となりました。アマゾンにてお買い求めできます。定価は2,080円(税込み2,288円)です。埼玉県内の、とある町の学童保育所に就職した新人支援員・笠井志援が次々に出会う出来事、難問と、児童クラブに関わる人たちの人間模様を、なかなか世間に知られていない放課後児童クラブの運営の実態や制度を背景に描く小説です。リアルを越えたフィクションと自負しています。新人職員の成長ストーリーであり、人間ドラマであり、群像劇であり、低収入でハードな長時間労働など、児童クラブの制度の問題点を訴える社会性も備えた、ボリュームたっぷりの小説です。残念ながら、子どもたちの生き生きと遊ぶ姿や様子を丹念に描いた作品ではありません。大人も放課後児童クラブで育っていくことをテーマにしていて、さらに児童クラブの運営の実態を描くテーマでの小説は、なかなかないのではないのでしょうか。素人作品ではありますが、児童クラブの運営に密接にかかわった筆者だからこそ描けた「学童小説」です。ドラマや映画、漫画の原作に向いている素材だと確信しています。商業出版についてもご提案、お待ちしております。

 弊会代表萩原ですが、2024年に行われた第56回社会保険労務士試験に合格しました。これから所定の研修を経て2025年秋に社会保険労務士として登録を目指します。登録の暁には、「日本で最も放課後児童クラブに詳しい社会保険労務士」として活動できるよう精進して参ります。皆様にはぜひお気軽にご依頼、ご用命ください。また、今時点でも、児童クラブにおける制度の説明や児童クラブにおける労務管理についての講演、セミナー、アドバイスが可能です。ぜひご検討ください。

 放課後児童クラブについて、萩原なりの意見をまとめた本が、2024年7月20日に寿郎社(札幌市)さんから出版されました。本のタイトルは、「知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの社会インフラ」です。(わたしの目を通してみてきた)児童クラブの現実をありのままに伝え、苦労する職員、保護者、そして子どものことを伝えたく、私は本を書きました。学童に入って困らないためにどうすればいい? 小1の壁を回避する方法は?どうしたら低賃金から抜け出せる?難しい問題に私なりに答えを示している本です。それも、児童クラブがもっともっとよりよくなるために活動する「運営支援」の一つの手段です。どうかぜひ、1人でも多くの人に、本を手に取っていただきたいと願っております。注文はぜひ、萩原まで直接お寄せください。書店購入より1冊100円、お得に購入できます!大口注文、大歓迎です。どうかご検討ください。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の事業運営をサポートします。リスクマネジメント、クライシスコントロールの重要性をお伝え出来ます。子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。

(このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)

(宣伝です:放課後児童クラブのエアコン機器の点検と清掃を考えている方に朗報です。弊会をバックアップしてくれている、埼玉県上尾市の「SVシステム株式会社」(埼玉県上尾市の電気・空調設備施工管理会社|点検・修理・メンテナンス|SVシステム株式会社)が、「児童クラブ限定」で、格安にエアコン機器の点検と清掃を承ります。上尾市に比較的近い地域であればお伺いできます。見積はもちろん無料です。技術者のスキルは超一流。私が以前、児童クラブ運営事業者だったときからの長いお付き合いです。弊会お問い合わせメールで連絡先をお送りいただければSVシステム社に転送いたします。直接のご連絡も、もちろん大丈夫です。夏前にぜひ、エアコンの点検を!)